バクシーが可愛いと思ってるジャンさんと、そんなジャンさんが可愛くて死にそう、と思ってるバクシー。

寝たふりバクシーと乗っかるジャンさん

2,059文字 / 約3分
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溺愛彼氏とツンデレ受けの日常より。

寝てたらジャンが上に乗ってきて俺への愛を一人でぼそぼそ語り始めるからっっ!ずっと聞いていたいけどっっ!気付いたときのかわいい反応もみたいっっ!どーすればいいんだ俺は~!!(抱きしめるか否か迷って宙に浮いている手)

目を覚ました時、俺の視界に一番目か二番目くらいに飛び込んでくるもの。でっかい図体をした猫みたいな、大事な大事な可愛い俺の馬鹿チンポ野郎。イカレた言動と他人を煽るような表情で、十人中十人に〝気持ち悪い〟と評されるような男だが、野郎の寝顔は年齢相応で意外と可愛い。

「目ぇ閉じてりゃ可愛いんだよなっつーか、真面目な顔してりゃ普通にかっこいいしいっつもそうしてりゃ、マックスだってあいつらだって

前にバクシーのことを猫みたいで可愛いとうっかり口走ったら、あれはそんな小動物的な何かに例えられるようなもんじゃねぇだろうとマックスに遠い目をされちまった。こんなに可愛いのに。その後遠くから俺の顔へと戻ってきたマックスの視線は、俺のことを「残念な野郎だ」と言っていた。ムカつく。こんなに可愛いのに。
その時一緒にいたカラーひよこたちの反応も散々だった。俺の頭を心配しています、って表情でおろおろするヴァルター。急に英語が理解できなくなって困惑しています、みたいなツラのランドルフォ。俺は何も聞いていませんよって感じの紳士的な笑みを浮かべてるが、口許が引きつってるリッカルド。何を考えているのかさっぱり読めないが、恐らく碌なことは考えてないだろうと思わせるアルカイック・スマイルを浮かべたテシカガ。
あいつらが今のバクシーの寝顔を見たら、俺の言っていることが一目で理解できるだろう。破れ窓に貼られたベニヤ板の隙間から差す陽の光を遮る、案外と長い睫毛。男らしいシャープな輪郭の頬。鼻筋だって通ってるし、俺の握り拳が入っちまいそうなぐらいでかい口もセクシーだ。
もっとよく見てやろうと、隣に横たわったでかい身体の上に這い上がってみた。鋼みたいな筋肉に覆われた身体は、標準サイズの成人男が乗っかってもびくともしない。同じ男として妬ましくなるぐらいに恵まれた体躯に、だけど、羨ましさよりも興奮を覚えちまった俺の喉がごくん、と鳴った。
剥き出しの胸筋にそうっと掌を宛がうと、分厚い筋肉の感触と、その下に収められてる心臓の拍動が伝わってくる。それから、左腕の真っ黒な骸骨をその骨組みを指で辿るようにしながら、筋肉の弾力を楽しんで。警戒心の強い獣みたいな男がそんなことをされても起きないぐらいに俺に馴染んでるってことに、またたまらない気持ちにさせられる。
覗き込んだ顔の中、長い前髪の下の眉間に少しだけ寄ってる皺を、悪戯心でツンとつつくと、眉間だけじゃなく顔全体がふにゃりと緩んだ。

「じゃぁん
可愛い

寝言でも呼ぶのは俺の名前なんだと思うとめちゃくちゃ可愛い。見ろ、マックス、可愛いだろうが。この可愛いのが俺の俺だけのもんなんだぜ。羨ましがれ。

◇ ◇ ◇

あの、さっきからラヴァーズが俺に乗っかって顔を覗き込みながら、ずっと何か喋ってるんですよね。自覚はないかもしれないけど、多分、考えてることが全部口に出てるんです、ハイ。
隣に寝てたジャンが起きてこっちをじっと見てるなーと思ってたら、そのお喋りが始まっちゃって起きるに起きられなくて。だって、ジャンってば普段はあんまり俺に対する気持ちを言ってくれないから。もちろんジャンの気持ちは言われなくても分かってるんだけど、それでもやっぱり時々は言葉にしてほしいと思うわけで。もう少し聞いてたいなって寝たフリしてたら何とジャンが俺の上に乗っかってきちゃって。
エッチなことされちゃうのかと思ったら全然そんなことはなかったけど、俺のことずーっと可愛い可愛いって言ってくれてるし。俺だけのもんだ、とか言ってくれちゃってるし。

(何この可愛い生き物ナニコレもうどうしたらいいの?)

ジャンのケツの下にある俺のチンポは既に朝勃ちとは違う意味でギンギンになっちゃってるんだけど。それを掌で撫でさすり始めちゃって、もう、俺のことどうする気なのこの小悪魔ちゃんは。

「俺ですぐに勃起しちまうこのバカちんこも可愛い

ッカァー!! 今すぐこいつをジャンの中にブチ込みてぇェ!!)

今までの、全部聞いてたぜ。起き上がって抱きしめてそう言ったら、きっとジャンは真っ赤になって恥ずかしがって可愛い怒り顔を見せてくれるんだろうな。恥ずかしがってる時のジャンはいつも以上に感度が好いから多分めちゃくちゃどすけべなセックスができる。そう、思うけど。

「お前の可愛いとこ、やっぱりマックスやひよこ達には見せたくねぇな減っちまったらもったいねぇし」

そんな可愛いこと言って、俺の鼻先にちゅってキスをしてくれるジャンの言葉をもう少し聞いていたいような気もして。俺は中途半端に浮かせた手をジャンの背中側でこっそり握ったり開いたりしながら。

◇ ◇ ◇

恋人バカ二人の、苦悩するも、幸せな朝。