無印ルキーノ√におけるバクシーとの対決シーンで、ジャンさんの手が銃に届いていなかったら?ていうif話。

地獄には底がない

6,381文字 / 約8分
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お題箱にもらったお題より。

ルキーノルート、無印バクシーの「ハニーの前でレイープ」な世界線が見てみたいですぅ~~~♪

ルキーノが蹴り飛ばしたドイツ拳銃は、俺の手に収まるよりも先にキチガイヤンキーの手で止められていた。俺の手をブーツで踏みつけたまま、拾い上げた銃をつまらなそうな顔で眺めてから腰の後ろ側に挿し、野郎は怪鳥みたいな声で嘲笑する。

「ッハハハハァ。ザザザザザ、ザーンネーンでしたぁぁぁァァ!!」
クソッ

万事休す、か

最後の希望を断たれた俺を見下ろしながら、バクシーの野郎が肉切りナイフをついさっき、俺の上半身の薄皮を舐め、ベルトを両断してみせた、鋭い切れ味の凶器を持った自分の手を、べろりと舐めてみせる。そういやこいつ、さっき「穴は自作する」とか何とか言ってやがったがもしかするとそのナイフで俺の下腹部に野郎の薄汚ぇチンポを突っ込むための穴でも開ける気なのか。自分の頭に浮かんだ考えに、悍ましさと認めたくはねぇが恐怖を覚えて、俺はブルリと身体を震わせていた。

「てめぇ、マジで俺をレイプするつもりか
「ヤクでラリってるそこのジジイと出血多量で死にかけの赤毛のライオン。レイプショーの観客にはちっと人数が物足りねぇがよぉ、ルッキーノご執心の金髪のドギーを本人の目の前でレイープできるんだから贅沢は言わねぇ。俺は慎ましーいオトコなんだわ」
「ヴァ・カガーレ!」
「俺ちゃん、イタリア語わっかんねぇんだわぁ。英語でプリーズ」
「失せろクソ野郎!」
「おーおー、活きがいいねぇ。そうでなくっちゃ面白くねぇわなぁ?」
ッ!!」

屈みこんだバクシーに、するり、と、頬にナイフを音もなく押し当てられて俺は反射的に口を閉じちまう。ビビッてんのが丸分かりじゃねぇか、みっともねぇ。内心で歯噛みする俺を嘲笑うように、バクシーの手がナイフを滑らせる。頬にチリ、という微かな痛みが走った。薄皮が一枚切れただけ、恐らくは痕も残らないほどの浅い傷だったが。

ジャン!!」

それでも、それを目にしちまったらしいルキーノは悲痛な声を上げて俺の名を呼んだ。

「イィィィィーイねぇ! ハニーの叫び声は何度聞いてもチンポがバッキバキに勃起しちまうくらい興奮するぜぇ」
「クソ、やめろッ」

俺の顔を上から逆さまに覗き込んでニタニタと笑うバクシーが、頬につけた俺の傷に舌を這わせて舐め上げる。興奮したキチガイヤンキーの口からボタボタと垂れる大量の涎は頬を伝って流れ落ち、さっき野郎に食いつかれた俺の首筋にまで垂れてきた。気色悪いことこの上ないその感触に、俺の全身には鳥肌が立つ。

「さァて、どうすっかなぁ親父にはまだ殺すなって言われてんだけどよぉ、ナイフで穴開けたらやっぱ死んじまうかなぁ?」
、や、めッ」

ベルトを切られ、ボタンもナイフで飛ばされちまったボトムがわずかにずり下げられる。その際に響いたカチャ、という金属音にバクシーは一瞬手を止めて爬虫類じみた双眸を警戒心で光らせた。だが、俺の腰の辺りをまさぐっていた男の目は、すぐに喜色を浮かべて輝く。

「ナイフでも隠してんのかと思ったらいーいモン持ってんじゃねぇかよォ、ドギィー」

そう言ってバクシーが掲げたのは手錠だった。ポリ公のコートを奪った時に野郎が腰にぶら下げていたのを見て何かに使えるかもしれないと拝借してきた、それ。その手錠がまさか自分の首を絞めることになるなんて。

クソ、クソクソクソ!!)

バクシーのごっついブーツに踏みつけにされている俺の手のうち、まずは右側の手首に冷たい金属の感触が触れる。そこでようやく俺の右手は野郎の体重から解放された。だが、解放感を味わう間もなく、手首に掛けられた手錠が乱雑に引っ張られて、身体の反対側に移動させられる。未だ踏みつけにされたままの左手も同様に、金属の輪っかを嵌められて。赤ん坊の腕を捻るみたいに簡単に、あっという間に俺の両手首には手錠が掛けられていた。

「んじゃ、マァ、穴は諦めてとりあえず素股にすっかァ」
は? うわ、わッ!?」

クレーンのアームみたいな腕にあっさりと引っ繰り返されて、いとも容易く地面にうつ伏せにされちまう。手錠で拘束された腕で必死に自分の身体を支える俺は、自分の下半身を襲う解放感に、ケツが丸出しにされて空気に晒されたことを悟った。

「ホ、ホホホーウ? マカロニチンポ野郎のケツなんてきったねぇばっかりだと思ってたけど意外にキレーなもんじゃねぇのよ。アレだな、シモの毛もうっすい金髪だから目立たねぇのがいいんだわなぁ」
「く、ぅジャン、ジャンカルロ! 貴様、やめろ!!」
「こんの腐れヤンキー、ジャンから、手を放し、やがれ!」
「ハハハハハハァ。観客の歓声もショーの大事な構成要素、ってナァ」

アレッサンドロ親父とルキーノの罵声を気に留めるどころかむしろ楽しむみたいに嘲笑い。上機嫌な声を上げる男の手が、鉤爪みたいに物騒な凶器じみた指が、俺の髪の毛の間に挿し込まれる。そのまま、俺の髪を梳くみたいにしながら弄んでいるのが感触で分かった。

「いいねェ。綺麗にお手入れされて、女みてぇな手触りだわ。こーやって後ろから見てりゃチンポも視界に入れずに済むし、女犯んのと大して変わんねぇな」

ジッパーの下ろされる音がして、俺の太腿の間に熱い塊が押し当てられる感触がする。まさか、こいつはこの熱の正体は

「ンー、ちぃっと滑りが足りねぇわなぁ

バクシーの野郎が何事か呟くと、押し当てられた熱が離れて、慄いていた俺は少しだけほんの少しだけ安心する。もちろん、それが一時的なものであることは俺にだって予想はついていた。バクシーが自分の衣服をまさぐっているような気配が俺の背後でする。できれば暴れて逃げ出したかったが、俺の下腹部ビビッてちぢこまっちまってる性器のすぐ横にはバクシーの構えた肉切りナイフが宛がわれていて。俺が何かしらのアクションを起こせばそいつで刺すなり切り落とすなり、されるんだろうことが分かっちまって。
こんな辱めを受けるぐらいだったら死んだ方がマシだ、そう思うのに、死ぬ気で抵抗できない自分が俺は本気で情けなかった。命惜しさに男に股を開いてると思われてるんじゃないかと考えたら、親父とルキーノのいる方を見ることもできない。

「お、あったあった。持っててヨかったワーセーリーンー」

目的の物を見つけ出したらしい男が、背後で何かゲル状の物をチューブから押し出した、みたいな音を立てる。それから再び俺の太腿の間に宛がわれた熱の塊は、さっきは感じられなかったぬめりを帯びていた。

「オラ、わんわん、てめぇの両脚、太腿締めて俺様のブツをちゃんと挟めよ」
「なっやめろよッ、クソ、気持ち悪ぃ
「きっさまジャンに汚ぇブツを押し当ててるんじゃ、ねぇッ」
「ジャンくそ、やめ、ろ

耳に届くルキーノと親父の声は、さっきまでのものと比較すると明らかに力も勢いもない。親父に盛られたクスリがどんなものなのか分からないのも不安だし、それ以上に、未だシャンデリアの下敷きになって押し潰されたままのルキーノのことが心配でならなかった。後ろめたさから正視できずにいたその姿を改めて視界に収めると、ルキーノは力なく地面に頭を預け、それでも血に染まった手を必死にこちらに伸ばしている。だが、その目は精彩を欠いていて、もはや気力だけで意識を保っているんじゃないかと、そう思えてならなかった。

「オイオイオイオイオイ、おめぇら、勝手にくたばりかけてんじゃねぇだろうなぁ? ショーはこれからが本番だぜぇ? ちゃーんと目ん玉かっぴらいててめぇらの二代目とやらがギャングのザーメン便所になるとこを見届けてくれよぅ」
「この、腐れ、ヤン、キー
「ジャン、カルロ

切れ切れの罵り文句を吐くルキーノと、既に俺の名前を呼ぶことしかできなくなっちまってるらしい親父の姿に、俺は手錠で縛められた両手をギュッと握り締め。そんな俺の耳元で、バクシーがねっとりと囁く。

「オメーとあのオッサンはまだ殺すな、って言われてっけどよぅ、赤毛ライオンについてはなーんにも指示されてねぇんだわ」
「どういう意味、だよ
「アイツがこの先生き延びるか死んじまうかはわんわん、オメー次第、ってことだぜ。分かるかぁ?」
「ハッテメェの言うことなんて信用できるかよ」

こいつの言いなりになったところで、ルキーノが助かる保証なんてない。そもそも、俺と親父を殺すなという指示だって本当のことかどうか怪しいもんだった。このバクシーって野郎の言うことは、九割方が嘘なんじゃないかと俺には思えていた。それでも。

「よく知らない人間を簡単には信用しない。わんちゃんは賢いでちゅねー。確かにこの状況からおめぇらが助かる保証なんてどこにもねぇわな。けど、一個だけ、確実に分かってることがある」

「このまま放っといたら、あいつ、死ぬぜ」
ヴァッファンクーロ!」

バクシーの野郎の言葉に含まれる一割の真実。このまま放置されれば、ルキーノは死ぬ。目的俺を精液まみれにした姿を親父とルキーノに見せつけるという、クソッタレなそれを達成したバクシーが、その後俺たちを見逃して置き去りにしてくれる。そんなごくごく薄い可能性に期待して。今はもうそこに全額ベットして野郎の言いなりになるしかないんだってことを、俺は悟っていた。そんな俺の耳に、生温い吐息と一緒にバクシーが毒を吹き込んでくる。

「やれるよなぁ、ドギィ。仲間のタメ、だもんなぁ?」

そうだ、これは、ルキーノを助けるためなんだ

会話の間も俺の太腿の間をゆるゆると前後していた、棍棒みてぇな手応えの熱の塊。馬鹿みてぇにでかいルキーノのチンコですら充分に規格外だと思っていたのに、このキチガイヤンキーのデカブツはそれを更に上回っているようだったバクシーのペニスを、太腿の筋肉に力を込めてギュッと挟み込む。

「オ、オォ? いいねぇ、オメェもその気になってきたかよ、ドギー。俺のチンポを放したくないですぅって締め付けてきやがって、このどスケベわんわんちゃんがよぅ」
「ジャ、ジャン
クソッ!」

直前に交わされていた俺とバクシーのやり取りなど聞こえていなかったであろうルキーノに、今度ははっきりと聞こえるようにバクシーが嘲罵する。バクシーとの行為にいきなり積極的になった俺を訝しむような声を上げたルキーノに、思わずそっちの方へと顔を向けちまった俺の俺たち二人の視線が宙で絡み合う。生気を失ったローズピンクの瞳は、俺を責めてはいなかった。むしろ、自分のためにそんなことをしてくれるなとでも言いたげな何もかも全部分かっているような視線を俺に向けていて。

「ルキーノ
「なぁーに気分出してやがんだ、悲劇のヒロイン気取ってねぇで、もっとこっちに集中しろっつの」

バチン、という音を立ててバクシーの腰の骨が俺の尻に叩きつけられる。会陰から玉の裏を擦り上げた野郎の亀頭が俺の脚の間から飛び出して後ろから挿し込んでる状態だっていうのに、勃起時の俺のチンコよりも明らかに長いと思わせるそのでかさと、鎌首をもたげた毒蛇みたいな異様な見た目に俺は息を呑んだ。その光景が目に入ったらしいルキーノも、同じように息を呑んだのが分かっちまって。俺は唇を噛み締めて色々な感情をまとめて飲み下す。

見るな、ルキーノ見ないで、くれ

心の底からそう願うが、その願いが叶わないことも分かっていた。俺がこうしているのはルキーノのためだと、ルキーノ自身にはもう気づかれちまっている。自分のために犠牲になろうとしている俺から目を逸らすことを、ルキーノは己に赦さないだろう。

「あー、やわらけぇー。この感触は悪くねぇけど締め付けがイマイチ物足りねぇなぁ。もっと気合い入れて締めろや」
「ファンクーロ

塗りたくられた潤滑剤と先走りで濡れ光る亀頭が脚の間から引っ込んで、再び俺の会陰をなぞっていく。その先端がケツの穴を掠める度、俺は恐怖で身が縮むような思いに駆られた。ルキーノと何度もセックスしちまったからリアルに想像がつくが、あんなものをケツに突っ込まれたら絶対に痛ぇ。野郎にはこっちを気遣うなんてアタマはねぇだろうから、遠慮会釈なくガスガス犯られちまったら壊されちまうかもしれない。突っ込むための穴をわざわざ自作しようとしていたところを見ると、バクシーにはケツでセックスするって考えはないのか、あるいは、自分のサイズからしてそもそも無理だと判断しているのか。どちらにしろ、俺にとってそれはせめてもの救いだった。
そのはず、だった。

「あ? あぁん??」
!!」

もう何度目になるだろう、バクシーの亀頭が俺のケツの穴の上を通り過ぎようとした、その時だった。

「ドギィよぅ、テメェのケツの穴、緩んで俺の亀頭にチュッて吸いついてきやがったぞ」
「そ、んなわけ、ねぇ
「誤魔化してもムダムダムダでぇーっす! 俺の繊細な亀頭が見逃すはずがねぇんだよなぁ、これが」

言い切ったキチガイ野郎が俺のケツの穴の上で亀頭をしつこく滑らせる。その度、俺のアヌスが野郎の亀頭を捕まえようとするみたいにその先端に吸いつくのが、自分でも分かった。昨夜もルキーノに散々犯されちまっていたそこは、一晩経ってもまだ柔らかく綻んでいて、ぬめったバクシーの亀頭で揉み込むみたいに何度も擦られていたせいかすっかり緩んじまっているようだった。

「てめぇのこの穴の状態はいったいどういう訳だぁ? 女のまんこみてぇにチンポ欲しがってパクパクしてきやがったぜぇ?」
「ちがう、ちがう
「違わねぇだろうが、よっ!」
あぅ!!」
「ッジャン!!!」

いきなり、叩き込むように突っ込まれたバクシーの亀頭を、俺は俺のケツの穴は受け入れちまっていた。凶器みたいに張り出したエラの部分が入口を通り抜ける瞬間、その衝撃を和らげようと無意識に身体が力を抜いてしまう。

「ハハハハハハァ、何だよドギィ、テメェ、挿れられるのに随分と慣れてるみてぇじゃねぇの。マフィアの二代目のケツマンコはとっくの昔に使用済みかよ。相手は誰って訊くまでもねぇわなぁ。そこで青い顔して死にそうになってる赤毛の色男、ダロぉ?」
!!!」
「き、さまッ!!!!」
「ジャン、カルロ?」

さっきからぐったりと俯いて押し黙っていた親父が、バクシーの言葉に弾かれるように顔を上げる。信じられない、とでも言いたげな愕然とした表情を浮かべたその顔を見ていることができず、今度は俺が俯いてしまう。決して誰にも知られてはならないことを、親父に知られちまった。俺とルキーノの関係を、CR:5は誇り高きコーサ・ノストラは決して許さないだろう。バクシーに対して怒りの声を上げかけていたルキーノも、それ以上の言葉が出ないくらいには動揺しているのが顔を見ていなくても伝わってきて。

「ク、ソッ、早く終わらせろ、よッ」

例え今のこの地獄から逃れることができたって、この先にもまた地獄が待っている。そのことに絶望する俺の耳に、俺にだけ聞こえるように、バクシーが再び生温い吐息を毒を、注ぎ込んでくる。

「なぁ、ドギィよぅ。ホントのホントは、さぁ。命が惜しくて俺に股開いてケツマンコレイプまでされてるってのに、さぁ。これが終わったら、ダーリンのために頑張りましたぁって健気なツラしてあいつの隣に戻るんだろ? マフィアの幹部様のツラの皮の厚さってのはホンット大したもんだよなぁ、オイ?」

あぁ、地獄ってやつには、底が、ねぇんだ)